高齢者の知的なおもちゃ
私は中高年者を相手にパソコン講師のボランティアをしています。私は日頃パソコンは中高年者というよりも高齢者の「知的なおもちゃ」だと考えています。若くて元気なときは外に出て行動を通していろいろなことを体験できますが、年を取ってきて身体の無理が利かなくなり、行動範囲が狭まってくると、家に閉じこもってしまう人が多いという。
パソコンは外に出なくても高齢者の知的好奇心を満たしてくれる道具となってくれる。知的道具と堅苦しく考えなくても「知的なおもちゃ」だと思えば良い。
パソコンを学びたいと講習会に参加する人達は、以前は主婦の人が圧倒的に多く男性が少なかったのだが、最近傾向が変わってきたように感じる。70代の高齢者の男性の学習者がよく見られるようになったことである。この年齢の人達は、サラリーマンとして会社で働いていた時代はパソコンに触れる機会がなく、パソコンを使う時代になっても部下の人にパソコンで処理をしてもらい、自分はプリントアウトされて文書をチェックしていたわけである。
●自分史をつくりたい、外の出版社に頼むほどのものではないので、自分で作りたい。パソコンを使えると本のように立派なものが出来るというのでやってみたい。
●写真が好きで撮影した写真がたくさんあるのだが、整理したい。プリントして皆に送ったのではお金がかかる。ネットを使うと簡単に多くの人に見てもらえるのでやってみたい。
●孫からおじいさんメールで写真を送ってねと言われた。遠くにいる孫とメールのやり取りが出来るようになりたい。
等々、ネット社会にチャレンジしたいと考える老人が増えてきたようだ。
●私の母(90歳)は、こんなものを買いたいのだが、ネットで調べてくれと私に頼んでくる。お店に出かけなくても、家にいてネットでショッピングが出来ることを知っている。
●私の生徒(70代)に、良く東京へ演劇やコンサートに出かける人がいる。パソコンで安いチケットを手に入れて、メールで友達と連絡をとり、ネットで電車の時間を調べて出かけていく。
など、パソコンを使ってネットを利用することを知っている高齢者も増えてきている。
パソコンを使う人達が周りにいるようになり、自分もパソコンを使ってネットを利用したいと思う人が増え、パソコンにチャレンジしてみようと思う中高年者特に男の人達が増えてくることを願っている。そして、パソコンをおもちゃにして、高齢になっても知的好奇心を持ち続けて欲しい。
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