高齢者世帯と大家族を考える
                                2003.06.16


最近、高齢者に関するニュースを新聞で読んだり、ニュースで聞くことが多くなった。無理もない、厚生労働省の発表によると、65歳以上の高齢者世帯は、718万世帯になるという。これは全世帯の15.6%を占める。ところが、子供と同居している高齢者世帯は全体の47.1%を占めるが年々減少しているという。それに対して夫婦のみが35.1%で、一人暮らしが14.2%でどちらも増加傾向にある。高齢者世帯の核家族化が進み、三世代同居がどんどん減っている。

私は、若い人たちを家族というもので束縛するつもりはないが、戦後の若い家族は過剰な個人主義で自分たちの楽しみを家族よりも優先するようになったのではないかと憂いている。高度経済社会を突っ走ってきて、核家族が急速に増えて、家族が皆で助け合うという日本の良い文化を捨て去ってしまったように思う。この結果、親が子供を虐待したり、子が親を殺したりという家族愛の無い家庭を作り出した一つの要因になったと思う。人間同士の触れ合いが無くなり、見知らぬ人が突然近くにいる人を殺すような社会にもなってしまったのだと思う。

個人の欲望を要求するだけでなく、他人のためにするという自己抑制が必要だと思う。親が自分の楽しみを抑えて子供の面倒を見るのは自然の行為だと思うのだが。自分の楽しみよりも子供の面倒を見るのがもっと楽しいのだという気持ちになる人もいると思う。

こんな愛情を育てるのは、三世代が生活している大家族の中だと考えている。三世代同居を大事にして、年寄りを敬ったり、小さな子供に愛情を注いだり出来る大家族を作り出せないだろうか。サザエさんの家族やNHKのさくらが生活した高山の家族がそうだったと思う。

それでは親家族と離れている核家族の人はどうすればよいかという答えは無いが、擬似大家族を含めて、三世代が生活する大家族について見直してみたらいかがだろうか。

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