年金だけで暮らせるか
                               2006.05.29

定年後は夫婦で旅行を楽しんで悠々自適の暮らしをしようと考えた人は多いと思う。いくら年金が減ったからといっても40年も頑張ってきたのだから、生活に困らないだけの年金をもらえるだろうと思っても不思議ではない。

しかし、定年が近づいて社会保険事務所を訪問して、もらえる年金の説明を聞いて厳しい現実に驚く人は多い。厚生年金の支給開始年齢は段階的に先延ばしにされており、今年定年を迎えた人は63歳にならないと全額の約20万円をもらえない。また、生命保険文化センターのデータによると、老後を夫婦2人で暮らしていくのに必要と考える最低日常生活費は月額24万2千円、ゆとりある老後生活費は月額37万9千円である。63歳になって年金全額もらっても、ゆとりある生活に必要な金額にはほど遠い。それどころか、最低日常生活に必要な金額にも届かない。

60歳で定年を迎えると、少なくとも3年間は年金を全額受け取れず、生活費が大幅に不足することになる。この期間をどう乗り切るかは大きな課題である。定年退職をしたら、半年から一年間は一時的に休息をして、それから新しい就職先を探そうとしても、再就職先を見つけることは非常に難しい。60歳を過ぎても働きたいと考える人は、定年延長や継続雇用制度がある場合には、その制度を利用するのが望ましい。

60歳で定年を迎えて、定年後は好きなことをしたい、自由になった時間を楽しみたいと考える人は、最低3年間の生活費を蓄えておく必要がある。そして63歳以降は生活をきりつめて年金だけの生活をするか、それとも3年の間に好きなことをして収入を得る道を切り開くか、覚悟をする必要がある。

年金だけで悠々自適の生活をすることは困難である。定年後はゆとりある生活をしたいと考える人は、定年までに老後に必要な生活費を蓄えておくか、定年後も働き続けるか、選択肢は限られている。出来れば、定年後は自由になった自分の時間を自分の好きなことに使いたいものである。そして、それが収入に結びつくと嬉しい。定年後は健康を維持することに留意し、好きなことをしながら、少しでも収入を得られる道を切り開きたいものである。これはとても難しいことであるが、そんな夢を持ち続けたい。

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