老年期は挑戦期である
                                 2004.02.09

 
「健康・生きがい開発財団」の向上研修会で筑波大学の井上教授による「生きがいとは何か」の基調講義がありました。その中 で老年期について興味深い話があったので紹介します。

老年期は喪失期である。「 4つの喪失」即ち@心身の健康A経済的基盤B社会的つながりC生きる目的を失う、と云われている。しかし、そうだろうか。喪失期ではなく、挑戦期と言うべきではないだろうか。

確かに肉体的衰えはあるが、健康な状態の人は多い。多くの高齢者は健康維持のために努力している、即ち、健康維持に挑戦している。痴呆になると言うが、本格的な痴呆になるのは10%以下の人である。

経済については、年金をもらって生活しており、高齢者は経済を支えるメインではなくなっている。しかし、今までに蓄えた資産を減らさないように守っている。いや、守るだけでなく、資産を運用して作りだすことにも挑戦している。

社会的つながりについては、定年退職によりオフィシャルな繋がりは無くなった。しかし、趣味を楽しんで趣味を通じた新しいつながりを作ったり、学習会などで新しいつながりを作り出している。放送大学には高齢者が多く、新しいつながりがある。 高齢者は新しいつながり作りに挑戦している。

生きがいについては、子供の教育とか家を作るとか、立身出世をするといった目的は無くなった。しかし、若いころに出来なかったことをしたいという中高年者がいる。若いころに出来なかったことをするという目的を持って挑戦している。また、高齢者の生きがいは、趣味・娯楽、家族との団欒、旅行、友人との交際、仕事、地域活動、学習、ボランティアと多種多様であるが、実際に生きがいを持っている高齢者は多い。

「老年期は喪失期でなく、挑戦期である」という意見に、自分はそうでありたいと思う。また、これからは、そういう気持ちを持った高齢者を増やす努力が必要であると感じました。

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