介護タクシーの記事を読んで
                                 2001.02.28

介護保険を利用して運賃を無料にしている「介護タクシー」に道路運送法に違反するとして旧運輸省は運賃を取るよう指導していたが、「介護報酬で運賃コストをまかなっているならば、違反ではない」と道路運送法を柔軟に解釈して無料運行を事実上認めた。というニュースが1月にあった。

「へー!」国土交通省(旧運輸省)も味なことをやるなと感心していたのですが、2月になって厚生労働省は送迎に偏ったサービスの「介護タクシー」に介護保険の適用を認めない、送迎に偏ったサービスを改善しない業者は訪問介護事業者の指定を取り消す、と横やりを入れた。

このニュースの記事をよく読まないと、介護タクシーに介護保険の適用が認められなかったと受け止められてしまう。厚生労働省の指導には、特例措置が設けられており、市町村が地域の事情を勘案して地域限定の特別サービスとして介護タクシーが必要であると認めれば保険の給付を認めることがあるとしている。

それでも肯定的に考えれば、”市町村の認可を得れば、特例的に介護保険の適用が認められる”と介護タクシーの運行が認められたという印象を持つが、否定的に考えると”特別サービスを必要と認める市町村でなければ、事業継続が出来なくなる”と介護タクシーが認められなくなるという印象を持つことになる。

いずれにしても判断は市町村に任せられたわけで、市町村がどれだけ利用者の立場になって、このサービスをとらえるかにかかってくると思います。硬直した考え方をする市町村と柔軟な考え方をする市町村とでは判断が違ってくると思いますが、これからの動きを見守って利用者にとって便利なサービスが広がるようにしたいものです。

-*介護タクシーとは、

介護事業者の指定を受けたタクシー会社が、

(1)自宅から車に乗るまでの付き添い

(2)移送

(3)車から降りて病院までに入るまでの付き添い

を行うことを一連の身体介護とみなし介護報酬(30分未満で2100円)を自治体から得る代わりに運賃を無料にしている。利用者は運賃ではなく、介護の自己負担分の1割(30分未満なら210円)をあとで負担する。

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