心の豊かさと生きがい
                                 2003.02.10


現在の社会は「モノの豊かさを求める時代」から「心の豊かさを求める時代」に変わってきたと云われます。これは戦後の物不足の時代に経済的に豊かになりたいと熱望していたが、物質的にある程度豊かになってみるとそれだけでは生活の満足感が得られない。何かが不足していると感じ、精神的な豊かさ、即ち「心の豊かさ」を求めるようになったと考えられる。

マズローの「欲求の5段階説」によると「人間には、生理的欲求、安全を求める欲求、家族や社会、組織の一員として認められたいという欲求、自分で自分の存在価値を感じたいという欲求、自分の能力を高め発揮したいという自己実現の欲求の5段階の欲求がある。」と云われます。これらが満たされると生きがいを感じるようになり、心の豊かさを得ることになるのだと思います。

会社人間であるときには、仕事をすることにより会社の中に自分の存在価値を感じ、仕事を達成することにより自分の能力を発揮できたと満足し、仕事を通じて社会に貢献していることを感じ、仕事が生きがいと感じておりました。このような会社人間が会社を離れたら生きがいがなくなってしまうのだろうか。

会社を離れると、今まで自由に出来なかった時間と行動が自分の自由になります。このたっぷりある時間を自分で好きなように活用して自分の好きなことを楽しみながら出来るのです。自分が自由に設定した目標に向かって自分の能力を高めることも出来るし、趣味や価値観を共有する仲間と交流して情報交換したり新しい価値観を生み出すことも出来るし、家族や友人たちとの接触の密度を高めてお互いの存在感を認めあうことも出来るようになります。会社を離れてからは、このようなことを新しい生きがいとすることにより心の豊かさを求めることが出来ます。

人生80年時代となり、退職後も20年以上ある現在、生きがいを持って心豊かな生活をするために、「自分のしたいことは何か」を見つけること、会社以外の人との付き合いが出来るように「早めに地域社会に参加すること」が大切である。

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