自分に勝つ
他人に何々をしなさいと言うことは簡単である。ところが、自分に何をしなさいと言って、行動することが何と難しいことか。何かをしようとする時に一番の障害となるのは他人でなく自分なのである。
会社人生を辞めて毎日が日曜日の生活を送っている人には、自分の自由になる時間がたくさんある。この時間をどう使うかは自分で決めることが出来る。ところが、この時間を自分の思うように使える人は意外と少ないようである。
何も考えず、その日暮らしをしていると、いつの間にかだんだんとだらしなくなってくる。好きなことに夢中になっている人は良いが、好きなことがなにか分からずにテレビを見て家の中でごろごろするようになってしまう。
やりたいと思うことがあっても、それを始めることがなかなか出来ない。初めてもそれを続けることがとても難しい。やりたいと思うことを見つけるのは自分である。やりたいと思うことを始めるのも自分である。続けていくのも自分である。気力を高めて自分を奮い立たせねば、自分に勝てない。
考えて見ると自分をコントロールすることが出来れば、自分の人生は自分の思い通りになる。どうしたらそれが出来るのだろうか。私はいつも前向きな気持ちを持って、気力を高めることが大事だと考えている。
人間は楽なことをしたいと思っている動物なのだろう。楽をするとだらだらとした生活を送ってしまい、怠惰な生活となり、気力が衰えてしまう。その結果、自分がやりたいと思っている生活とは違ったものになっている。
前向きな気持ちを持って、気力を高めることにより、自分をコントロールすることが出来るのだと思う。自分に負けずに、自分をコントロールする努力をすることがボケ防止になり、充実した長生き人生を送ることが出来るだろう。
規則正しい生活をして、健康に良い生活習慣を繰り返すことが、気力も充実して自分に勝てるようになるでしょう。気力をなくさず、自分に勝つ努力をしましょう。
先日終戦記念特集をしていたのだろう。小野田寛郎さんのことをテレビで放送していた。小野田さんは終戦後30年間もフィリピンのルバング島で日本軍の再上陸に備えて諜報活動を続けていたというから驚く。ジャングルの中を戦闘状態で走り回り、元気で生きていられたのは何故だろうか。
小野田さんははっきりとした目的を持っていた。その目的を達成するためにその日その日にすべきことを実行していた。強い意志を持っていたから出来たわけだが、目的がなかったら30年間も戦い続けることは出来なかったろう。
日本に帰国してから日本に馴染めなかったが、次の目標を立ててブラジルに渡った。ブラジルで牧場を開拓するという目的を持って。ブラジルでの開拓は成功し、牧場経営を行っている。
しかし、日本で起きた若者による金属バット事件にショックを受けて、残りの人生は日本の子供たちに役立つことをしようと、自然塾を開き野外活動の指導をしている。もう、85歳という高齢であるのに、日本とブラジルを行ったり来たりしながら、両国を飛び回って活躍している。
小野田さんの生き方を見ていると、人間がいきいきと生きるためには、目的を持つことが大事だと思う。特に、ルバング島の30年間の生活を考えると、目的を持つことが毎日毎日の生活に生きる力となっている。会社勤めをしていた私たちが会社を定年退職をした後の生き方を考える時に、残りの人生で何をするか目的を持つことが必要だと私は思っている。
人それぞれの生き方はさまざまであり、のんびりと過ごしたいという人もいるだろう。しかし、私には20年も30年も目的も無くのんびりと過ごすことは、退屈で苦痛だと思う。
さて、皆さんはどう考えますか。目的を持って生きていますか。
|