新盆を迎えて
今年は我が家で新盆を迎えました。お盆は先祖の霊をお迎えして供養するという行事ですが、今まで我が家には仏がいなかったので改まって供養するということはなかった。子供の頃に父母の故郷に帰ったときにお墓参りをしたという記憶があるだけであった。会社勤めをしていた時はお盆を挟んで長い夏休みがあったので、お盆=夏休みといった気分が強かった。
父が亡くなって新盆を迎えることにより日本の伝統的な行事を知ることになった。私の地域では、東京と違って8月13日から16日までがお盆である。新盆なので玄関に新盆提灯をぶら下げなければとか、仏壇の前に精霊棚を供えなければとかお盆の前に準備しなければならないことがありました。精霊棚の祭り方も地域によりいろいろあるようです。ほおずきを飾ったり、なすの牛やきゅうりの馬を作ったりとか、昔から伝承されてきた所作があります。
私の家ではご先祖様をお祭りしていないのですが、父の霊が帰ってくるということで、少しでもしきたりに従って行おうと準備をした。私の兄弟家族が集まり、父の子供・孫が全員集まり、父の霊を供養することが出来た。
お盆の始まる前日にお墓に出かけ、お墓の掃除をして、花を供えてお迎えの準備を整えた。お迎えの当日は僧侶に来ていただいて読経をしてもらった。お迎えは13日の朝にすると思って朝迎え火を焚くつもりでいたら、夕方にお迎えするのが正しいということで夕方にオガラを燃やし、お墓へ出かけてお迎えをした。送るのも夕方で、16日の夕方にオガラを燃やしてお送りを行った。お盆の期間中は近所の方もお参りに来て下さった。
17日はお寺でお施餓鬼法要が行われたので、法要に参加してお墓参りをしてすべてのお盆行事が済んだ。
核家族化により、お盆をお祭りするといったことが減ってきているが、家族が皆集まって日本に長く伝わる行事を行うことは、日本人が大事にしてきた生活や家族のつながりを知るきっかけになるような感じがする。年をとったせいだろうか、今まで大事だと思っていなかったことが、大事なことのように思えてきた。
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