高齢社会の問題
                                 2004.01.11

 
少子 高齢化社会の到来と共に国民年金の制度改革についていろいろと議論されております。少子高齢化社会において国民年金制度がなぜ今問題になっているのでしょうか。

まず少子化の問題ですが、これは1年間の出生者数が毎年減っているという問題です。2002年度の出生者数は115万1507人と過去20年間の最低となっている。この影響で生産労働人口は全人口の67.0%と前年度よりも減少傾向にある。総人口も2006年以降は減少に転ずるという。

一方高齢者は、どうかというと65歳以上の老年人口は全人口の18.82%と毎年増加している。国連の基準によると65歳以上の老年人口が7%を超えると「高齢化社会」といい、14%を超えると「高齢社会」という。日本では1970年に高齢化社会となり、24年後の1994年に高齢社会となった。これがフランスでは115年、イギリスでは47年かかって高齢社会になっている。また、その後の増加は緩やかである。ところが日本では急激に経済発展をしたときのように老年人口は急激に増加し、いまだにそのスピードは衰えず2006年には20%になろうとしている。

そうなるとどうなるのだろうか。生産労働人口が60%で老年人口が20%となると3人の働く人が1人の老人を支えなければならなくなる。この状況はそれで止まるわけだなく更に進展して2人の働く人が1人の老人を支えるようになる。これでは今までと同じ年金を維持しようとすると働く人の年金保険料の負担を増やさないとやりくりがつかなくなる。逆に現在の保険料負担のままにすれば年金を減らさねばならない。その一つの方策が年金の支給時期を60歳から65歳に繰り上げることだった。ところが、これだけでは、年金制度が破綻してしまうことが明白になり、新たな改革案として、年金の支給額を平均収入の50%まで減らそうということと、保険料負担を保険料率18.35%(個人負担はその半分)まで増やそうということになったのである。

なぜ急にこれらが問題化したかというと、前に述べたように高齢社会、更に超高齢社会になるスピードが新幹線並みなのに対して、問題を先送りして付け焼き刃のような政策をしてきたのが追いつけなくなって表面化したものである。

政府が今まで少子高齢化社会への対策を怠ってきた結果と云える。今年こそ小泉内閣が少子高齢化社会に向けた明るい展望を開いてくれることを期待したい。

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