年金について 2004.05.31 |
現在の年金制度は、自分たちが支払ってきた保険料が積み立てられ、それが原資となって支払われるのではない。現在働いている人が支払っている保険料を原資にして、現在の高齢者の年金が支払われているのである。いわゆる「世代間扶養」である。従って、高齢者が増加して、若年層が減少すれば、働く人が支払う保険料は増えず、高齢者に支払われる年金は減らさざるを得なくなる。さもなければ、働く人が支払う保険料を大幅に増やさなければならない。 このような少子高齢化時代に、60歳で定年を迎えて残り20年を働かずに年金で生活をしようとする人たちが増加すれば、高齢者は若者に生活を依存し、若者はその負担の多さに悲鳴をあげてしまうことになるだろう。元気な高齢者が多い時代である。これ以上の年金の増加は望まず、年金が目減りしても甘んじて受けざるを得ないだろう。そして、目減りした分は自分の力で稼ぐという自立心を持ちたいものである。勿論、身体を壊して働けなくなる人もいるわけだから、そういう人達への支援は必要である。 60歳以降も出来るだけ働きたいという人は72.6%もいるという調査結果がある。しかし、60歳からの就職活動はなかなか厳しいというのが現実である。働きたいという人に働く場を提供する環境作りを望みたい。 しかし、国会議員の年金未入・未加入には失望せざるを得ない。議員年金があるから、年金はもらえると思っていたに違いない。年金制度が、自分の貯金ではなく、国民全体の助け合い制度だということを理解していないと、言わざるを得ない。こういうことも知らずに、国民の義務も果たさずに、年金改革を議論してきたのだろうか。 |