定年延長を考える
                                2005.01.31


定年後も働きたいと考える高齢者は多い。総務庁調査によると「60歳以降も働きたいと考えている人の割合は、40〜59歳までの人で81.0%、60歳以上で89.8%」である。
働きたいという人の中には、60歳になってもまだ肉体も頭脳も元気で今までの経験や知識を生かしたいと人もいるし、年金が65歳にならないと満額受給出来なくなることから、生活資金を確保するために働きたいという人もいるわけである。
しかし、定年後の再就職は難しい。ハローワークへ出かけても今までの経験を生かせる職種で60歳以上の人を雇用してくれる会社があるかというと皆無に近いといったほうが良いだろう。働きたくても働くところが無いというのが実態である。
定年延長となると企業の論理では給与体系を見直さないと出来ないだろうから、給与は大幅に減少するかもしれない。しかし、定年後も同じ仕事を続けることが出来るので、給与が減っても働き続けたいという人には朗報である。
しかし、定年延長により、65歳まで働き続けなくてはならないとなると抵抗がある。人生いろいろで、60歳まで働いたら第二の人生で「同じ仕事を続けたい人」「自分の能力を生かして再就職をしたい人」「小さくても良いから自分の会社を起こしたい人」「自由に好きなことをしたい人」「スローライフを楽しみたい人」といろいろな生き方があります。一律的な定年延長ではなく、各個人のライフプランにより60歳で定年退職する人、65歳まで定年を延長する人といった選択制定年が望ましいと考えます。

これからは少子高齢化の時代。定年延長が議論されるようになったのは年金対策の一環であると考えられる。少子化で働く人が減ってきて、高齢化で働かずに年金をもらう人が増えたのでは、遅かれ早かれ年金制度は破綻してしまう。高齢者も働くようになって年金の受給を遅らせることが出来ればそれだけ年金制度が助かるのである。だからといって一律的に65歳まで定年を延長するということをしてもらいたくない。一方、これからの高齢者は年金に頼るだけでなく、自活していくことも視野に入れて、自分を役立たせる場を見つけ出して社会に貢献するようになりたいものである。そのためには、定年延長だけでなく、働きたい高齢者が働きやすい社会環境を作り出すことが必要であると考えます。皆さんはどう考えますか。

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